はらぺこあおむしのぼうけん

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二葉亭四迷=浮雲という知識だけではもったいない 二葉亭四迷「浮雲」

こんにちは。
文章難しいけど一気読みでございます。二日で読みましたよ、二日!!!
大変はすっぱな表現ですが、一言でいうと、なんか超むかつく小説。

浮雲 (新潮文庫)


主人公文三は、幼くして養子に出されて、叔父の家で育てられます。そこにはいとこのお勢がいて、文三が学問を修めて官庁で勤めるようになってからは、お勢とは許婚みたいな関係になっています。しかし、曲がったことは嫌いで上司に媚びることもできない文三は、免職になってしまう。一気にニート化してしまった彼に対する周囲の態度が一変します。叔母にはいびられ、その上、元同僚の昇にはお勢を奪われそうになる。

お勢と結婚してよ~とすりよってきた叔母が、免職になった瞬間いびる瞬間とか、昇やお勢、叔母に言われっぱなしの文三とか、その一つ一つのエピソードがとっても腹立たしくなるくらい、リアリティをもって描かれています。文三はいわゆる安牌キャラです。個人的に苦手なんだけど、文三もまさにそんな感じ。嫌なこと、許せないことがあっても、無視できない、そして、正直。もっとしっかりしろ!そして昇を出し抜いてやれや!!!とてか、お勢はただのビッチかこのやろう。とやきもきしてしまう。

この小説の何がいいって、とにかく会話が生き生きとしているんですね。
絶対文三に応援してしまうと思います。

おわり。