はらぺこあおむしのぼうけん

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お姉さん×海×おっぱい 多感な男子を虜にする 森見登美彦「ペンギン・ハイウェイ」

こんにちは。
森見登美彦作品の中で、個人的には森見登美彦っぽくなくてイマイチじゃない?と思っているのがこちら「ペンギン・ハイウェイ」しかし、周りの男性陣「俺これ一番好きだわ~」という人が結構いるんです。昨年映画化されたらしく、こちらも早く見たい。

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

主人公「ぼく」アオヤマは、郊外の住宅街に住む小学生。ウチダくんというお友達がいます。サッカーや野球に明け暮れる同級生とは違い、彼らは知的活動を好みます。ネタ帳(推理ノート)を常時携帯し、いつも何やら書き込んでいる。彼らには憧れのお姉さんがいます。歯科医院のお姉さん。おっぱい大きめ、蒼井優
あるとき、街に不思議なことが起きる。ペンギンが発生したのです。アオヤマくんとウチダくんの推理の結果、住宅街の外れにある「森」、そして、森で発生する「海」と名付けた現象、そして「お姉さん」の3つが深く関わっているだろうと当たりをつける。同級生のハマモト女史とも協力して謎を追うひと夏の思い出。

これ、すごい。何がすごいって、これを森見登美彦が書いたこと。正直森見登美彦は、モテない悶々としている童貞大学生ものが十八番と思ってましたが、お家芸を封印してこんなキラキラしたやつを出してくるとは!
太陽の当たらない、タバコと埃にまみれたよどんだ空気感を打ち破り、ぱーっと明るいところに出てきた。そんな感じ。しかも夏。夏ですよ。誰もが浮かれ騒ぐ夏をテーマにするとは。

綺麗なお姉さんとの出会いと別れ。でかいおっぱいと海辺のカフェ。男子の大好きを詰め込んだ本作品。映画はまだ見ていないですが、とにかく頭のなかに描かれる映像が美しくみずみずしい。
「嫌な気持ちの時はおっぱいのことを考えよう」など、笑える台詞も多数。

夏がくる前に、ぜひ。
おわり。