はらぺこあおむしのぼうけん

読書、映画、ときどき漫画のレビュー。最新刊から古典まで。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ミニマリズムVS子ども。丁寧な暮らしを喧伝している人に、本当に心の豊かな人ってどれくらいいるんだろう。「冷たい家」JP・ディレイニー

こんにちは。 「冷たい家」JP・ディレイニー。ハヤカワ・ミステリ。 完全無比の家…ここに住む女はなぜか、皆不幸に見舞われている…という、まさに映画化されるために作られたようなストーリー!邦訳の出た2017年の時点では「映画化決定!!」とされていまし…

「記憶」の儚さに苦しめられる6人の主人公を描いた傑作短編集 アンソニー・ドーア「メモリー・ウォール」(新潮クレスト)

こんにちは。 「メモリー・ウォール」アンソニー・ドーア(新潮クレスト) 「記憶」にまつわる6つの物語。久々に、「これは…!」と思わせる作品でした。(2010年の作品集だけど)「新しい才能をまた発掘してしまった…!!」とホクホクしてしまうほど素晴らし…

母親の恨み言、聞いているうちに涙が出てくるのは何故だろう… 「娘について」キム・ヘジン

こんにちは。 初めての韓国小説、「娘について」キム・ヘジン。亜紀書房「となりの国のものがたり」シリーズで、現在7作品出ているうちの一つ。タイトルからわかるとおり、母と娘のすれ違いを描いた作品ではあるのですが、性的少数者をテーマにしていたり(…

春になる前に読んでしまいたい心に冷たい風が吹きすさぶミステリ3選

こんにちは。 通勤のお供として重宝しているミステリ作品ですが、最近は引きが悪く、可能であれば避けて通る「残虐」ジャンルが続いてしまいました。しばらくは安心安全のアガサクリスティに逃避しようか悩んでいます。笑 桜も咲きはじめましたが、春になる…