はらぺこあおむしのぼうけん

読書、映画、ときどき漫画のレビュー。最新刊から古典まで。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

驚くべき完成度、魅力的な登場人物…もし自分が小説家なら、こんな小説を書いてみたい!エリフ・シャハク「レイラの最後の10分38秒」(早川書房)

こんにちは。 9月発売のこちら。 エリフ・シャハク「レイラ最後の10分18秒」 読み終わった瞬間、「完璧だ!!!」と声が出てしまった完成度。予想以上に素晴らしかったです。彼女、「トルコで最も読まれている女性作家」だとか。 2018年のブッカー賞最終候補…

ラーラ・プレスコット「あの本は読まれているか」

こんにちは。 ラーラ・プレスコット「あの本は読まれているか」 2020年3月発売。 書物が人の意識を変え、ついには世界を変える!そういう夢のようなコンセプトの「ドクトル・ジバゴ」作戦を成功に導いたCIAスパイのお話。ただ、出てくるのは「堅実なスパイ」…

ジョン・クラカワー「空へ」

こんにちは。 ジョン・クラカワー「空へ」 数年前に「エベレスト」という、1996年にエベレストで起きた大量遭難事件について取り上げた映画がありました。当時映画館でも見て、映像の美しさ、極限状態での人間ドラマに圧倒された記憶があります。極寒の登頂…

カズオ・イシグロのジョークの才能にただただ驚かされる カズオ・イシグロ短編集「夜想曲集」

こんにちは。 カズオ・イシグロの最新作「クララとお日さま」の発売(2021年3月)が地味に楽しみな今日この頃、短編集「夜想曲集」を読みました。 老歌手:離婚を前に最後の旅行する元スター歌手とその妻。「結婚によって成り上がかった」妻と、「若い女と結…