はらぺこあおむしのぼうけん

読書、映画、ときどき漫画のレビュー。最新刊から古典まで。

山崎退の監察レポート 「燃えよ剣」

燃えよ剣も上巻がほぼ終わりそうです。

燃えよ剣(上) (新潮文庫)


ここで出てきました!山崎退、ならぬ山崎丞(すすむ)
山崎退って地味ながらファンが多いですよね。私も好きです。

山崎は監察。監察は副長の指示のもと独立で働き、密偵として相手組織に入り込んだり、情報収集したりしています。山崎は大阪生まれで針医者の息子という町人風の男です。銀魂同様、ジミー山崎は周囲に紛れる潜入捜査が得意。

彼が活躍するのは池田屋事件
池田屋事件新選組の名前を世に轟かせた有名な事件です。攘夷志士が集まって何やら企んでいるっていう情報は以前から入っていたのですが、会合場所などの情報が錯綜します。新選組だけでなく会津藩など様々な機関の密偵が京の街を情報収集のためにうろうろ。山崎とすれ違った土方は「こいつ、町人の格好が似合う男だなー」と感心したりします。

当時新選組には山南という男がいました。山南は格好だけは総長に格上げされていましたが、実際は隊の指揮権がないお飾りなんですね。もちろん、山南を嫌う土方の策略です。
さて、どこの宿をあたろうか。上層部が密偵などの情報をもとに相談します。山南は山南の情報網がありますから、「丹虎で会合をするだろうから丹虎をおさえよう」と主張します。丹虎はもともと攘夷志士ご用達ということで、普通に考えたらそうなるんですね。しかし土方は、山崎の持ってきた「池田屋であろう」という情報をもとに、池田屋だと断じます。半分は勘ですが、この勘を近藤さんは信頼し、池田屋に傾きます。それには山南も苦い顔。

山南は閑職ではあるものの総長ですから、山南も立てて丹虎のほうに多くの隊士を割くことになりまふが、土方は抜かりなく、池田屋襲撃メンバーに、一流剣士の沖田や永倉などを割り当てます。

山崎はすでに池田屋の台所に入り込み、中居を指揮したりしてるんですね。新参者ながら、会合の座敷の場で差配を振るうほど彼は信頼を得ています。さすがジミー山崎w
山崎は攘夷志士に、「刀につまづいたら危ないので、ちょっと脇に寄せますね〜」と言ってひとところにまとめてしまいます。そのまま彼らの目を盗んでどんどん刀を遠ざけ、なんの断りもなく、押入れの中にいれてしまうんですw
そしてこっそり、池田屋の錠を開けておくなど、彼の手引きによって池田屋襲撃は成功を収めるのです。

山崎かっこいいw
地固めがあってこその実働部隊ですからね。

頭の中ではアンパン山崎が右往左往する姿が浮かんでいるのですがw
実際はどんな感じたったんでしょう。

おわり。