あの銀英伝が帰ってきた!!!「銀河英雄伝説列伝1」
こんにちは。
10月30日発売のこちら、「銀河英雄伝説列伝1」
ずっと前から予約して楽しみにしていました。予想通り数日で読み終わってしまい、再度銀英伝ロスに陥っている今日この頃。2はいつ出るのかな…
「列伝」は、銀英伝を愛する作家が、思い思いに銀英伝の世界で物語を紡ぐという、公式トリビュート・アンソロジー。田中芳樹監修です。
久々に読む銀英伝に、「ああ…ヤン(ラインハルト)が生きている…!!!」とうるうる。また正伝から読み直してみたくなりました。
この本の魅力は、「銀英伝に思い入れがある人向け」に書かれていること。マニア向けと言っても差し支えない。
よく、初めて読む人にも楽しめるようにと、設定や忘れられがちな登場人物をちょくちょく解説してあげるものもあるけれど、こちらはスパルタ系。
アッテンボローにブラウンシュバイク公、アムリッツア会戦に、ナントカ星系…などなど、
わかるわかる~、けど、、、どんなエピソードがあったっけ???
ってなっているうちに置いていかれる。「銀英伝好きなら知っていて当然ですよね??いちいち話の腰を折らないでください」とでも言われてしまいそうな塩対応は、もはや快感。笑
ラインハルトとヒルダの新婚旅行のエピソード。新婚旅行中に予定されていた用事をキャンセルさせて、いきなり「釣りをする!」と言い出したラインハルトには、密かな計画があった…。
エミール・ゼッレを特別な存在として大切に思うラインハルトが、若干(かなり?)空回りしている姿が愛らしい。禿げ上がりそうな激務をこなすラインハルトの休日が、美しい自然の描写と相まってキラキラ輝いているのが素敵だし、その後起こる悲劇を思うと、つい泣きそうに…ラインハルト亡き後の銀河帝国の様子も知れて大満足。
ヤンが士官学校生だった頃に起きた友人の恋物語と、キャゼルヌ妻(当時は彼女)の推理が冴え渡る安楽椅子探偵的なストーリー。
ほっこり感まんさいの恋物語かと思いきや、その裏に隠されたきな臭い事件を「おかしいですね…」とニコニコしながら暴くキャゼルヌ妻。あのキャゼルヌが選んだ妻だから、さぞかし聡明な女性だろう、というところから着想した物語とのこと。
伏線の回収も鮮やかで、謎解きとしての構成も完璧!短編ならではの面白さがある(あと5本くらい同じテイストで読んでみたい)
■「ティエリー・ボナール最後の戦い」 小前亮
待ちに待った艦隊戦です!!!こういうアンソロジーは、ヤンやラインハルトの「オフ」のエピソードばっかりだろうと想定していましたが、ちゃんとこういう艦隊戦があるのは嬉しい。
あるとき、ハカヴィツ星系にある同盟の補給拠点が奇襲された。ハカヴィツ星系は帝国が通常は到達できない場所であるため、同盟は航路情報の漏洩を疑い調査に乗り出す。調査を命じられたペテルセン中将率いる艦隊がハカヴィツ系に到達してすぐ、第二の事件が起こる。この謎の事件、裏ではフェザーンが糸を引いているという、正伝にも出てきそうな超重厚なストーリーです。
死亡フラグをおっ立てまくるティエリー・ボナールの奮戦にハラハラドキドキしてください!
■「レナーテは語る」 太田忠司
推しのオーベルシュタインが登場して嬉しいこちら。オーベルシュタインが情報処理課にいた頃の女性部下とのエピソード(※艶っぽいわけない)
ある女性士官の死をオーベルシュタインとレナーテで追うという、ホームズとワトソンを意識したストーリー。
犬のために元帥が生肉を買いに走る&あの遺言…という、オーベルシュタインの株を上げた?2つのエピソードに絡めているのが最高!!!オーベルシュタインの生き生き?とした姿についついウルっときました。
オーベルシュタインって、正伝でも、最後に全部持って行った感があるよね。
他2作は、個人的にあんまり刺さらなかった感。
「星たちの舞台」
→ヤンを好きな女子ミルズがヤンを演劇(演じる側)に誘うというお話。「ヤンくん!」とヤンを呼ぶ度にくすぐったい…笑
「晴れあがる舞台」
→表題作。正伝にも外伝にも出てこなかった人達(英雄見習い)が新登場。
銀英伝ファンは一気読み必至。とりあえず「事典」を買って「2」までに復習の予定。
「2」がとにかく待ち遠しい…!!
おわり。