はらぺこあおむしのぼうけん

読書、映画、ときどき漫画のレビュー。最新刊から古典まで。

信じたのか、受け入れたのか 「セーフ・ヘイブン」

こんにちは。


「セイフ・ヘイブン」

ラブロマンスでもありサスペンスでもあり、不思議な映画でした。


セイフ ヘイヴン [DVD]

 

女が警察に追われるシーンからはじまる本映画。最後の最後まで、本当に気が抜けません。ハートフルな映画と思って見始めたのに手汗すごいw うわー!みつかっちゃうよ!逃げて逃げて!!!ドキドキハラハラ。

 

逃げてきた女はケイティと名乗り、海辺の小さな町で暮らし始めます。雑貨屋の店主アレックスは数年前に愛する妻を癌で亡くし、男手一つで娘と息子を育てている。お隣の家には気さくな女性が住んでいて、良きお茶飲み友達に。

この時点で、いい感じの町にたどり着いた(おそらく)人殺しが、仕事、家、恋、親友、なんでこんな簡単に手に入れるなんてどんだけ〜!となるのですが、それは一旦置いといて。

惹かれ合うアレックスとケイティ。しかしアレックスはケイティの指名手配ポスターを見つけてしまいます。罪状は、殺人。ほらやっぱり。アレックスはケイティを問い詰めます。ケイティは「勘違いだ。悪い男に引っかかった」と主張しますが、アレックスは信じられない。ケイティはこの町を出て行くことにします。思い直し、ケイティを追いかけるアレックス。ケイティの過去には何があったのか? そして二人はどうなる?

 

という話ですが、DVDのパッケージはアレックスとケイティがキスしているわけですから、結ばれるというオチは書いていいと思います。ポイントは、アレックスはケイティを信じたのか、それとも受け入れたのか、というところ。彼は、ケイティを追うのか一人で黙考して決断します。ありがちなパターンで、ケイティの過去を知る人が知らせてきたり、ググったら事実を知ってしまったり、そんな都合のいいことことはありません。自分の感覚だけを頼りに決断するのです。それは、ケイティが信じるに値する人間とジャッジしたからなのか、それとも、犯罪者であろうが構わないと思ったからなのか、どっちでしょう?

 

ケイティは謎めいている女ですし、あからさまに警察を避けている、そのあたりで材料は揃っています。子どもがいるからテキトーな判断はできないアレックスですが、私は、彼の表情を見るに、全てを捨てる覚悟でケイティを受け入れたのだと思いました。「とりあえず一旦信じてみるわ」じゃなくて、「俺はもう逃げねぇ」という、愛に見えた。さあ、どっちかなぁ?

 

さて、この映画、ストーリー以上に構成が素晴らしいです。え!うそ!死ぬ!?マジで??ってなり、最後にはえええええ!そういうことだったの!と衝撃の事実が。わーーっと涙が出てきます。そして、二度見をしました。こんな語彙力ですいませんw

 

とにかくネタバレ厳禁で、2時間ハラハラドキドキしてほしいなと思います。

 

おわり。